こんにちは。
今回はWiFI環境について書こうと思います。
筆者は最近戸建てに転居することとなりました。
それまでマンションの一室だったのですが、それでもWiFiルーター1台では通信環境が安定しない箇所があったりして、2台のWiFiルーターを使ってローミング環境を構築していました。
ただ、空間自体はそう広くないので、うまく切り替えられないこともって、その度にPCやスマホのWiFiスイッチをON/OFFすることもありました。
今回は一戸建てへの転居だったため、上下階は流石に1台で賄うには無理もあるだろう、という想定の下、物理的な構成を考えました。
ちなみに手持ちのネットワーク機器はかなりの型落ち品なのですが、一般人がYouTubeやNetFlixを見る程度なら十分な機材です。
また、光回線はauの5Gを引くこととなったため、構成の中のBL 3000HMはレンタル品となります。
結果から先に書くと、次のような構成にしました。
Apple TVも型落ちの安いものですが、それぞれの部屋でiPadやMacBookなどを持ち込んでTV画面で見たい時には重宝しますし、直接ネットワークを介してNetflixやAmazon Prime、YouTubeなどを見る場合にも使えます。
REGZAはZ8がDLNA(DTCP-IP)配信サーバーになるので本当ならSTBに繋ぎたかったのですが、画面サイズ的にリビングでは弱いと言う判断となり、2階設置となりました。
なので、衛星放送はリビングでしか見られず、またリビングで録画した番組は、ZT3は配信機能がないため、そこでしか見られない、という点が少々残念ではあります。
DTCP-IPサーバーがあれば、時間はかかりますがダビングできるので、そこに集約してどの部屋でも試聴ができるようになるのですが、残念ながらそこまでハードウェアは揃っていません・・・
おっと、タイトルとはあまり関係のない話になってきたの、話を戻します。
無線か、有線か=上下階の接続
さて、転居先は2階建てになるため、それまでと違って上下の接続が必要になります。
そのため色々な方々の記事を拝見したのですが、上下階の接続はやはり有線一択となりました。
電波の伝搬は構造の違いにかなり左右されるため、転居先がどういう構造なのかはっきりしない中、仮にどんなに良い状況であったとしても、有線に勝る無線はないだろう、という判断です。
ここ数年はメッシュWiFiがもてはやされているようですが、無線通信の世界を多少なりともかじった事のある筆者としては、期待しすぎなのでは、と思っていたりもします。
当然、建築後の通線となるため、専門業者に工事をしてもらうことになりました。
費用はさておき、これで上下階の接続については気にしなくて良くなりました。
あとは各階の環境になります。
有線接続を最大限に生かすローミング
上下接続の憂いがなくなりましたので、あとは階ごとにWiFi環境を設定するだけです。
SSIDは上下階共に同じものにして、ローミング環境を構築します。
ローミングの場合、ルーターとAP間は有線で接続しますから、数年型落ちのルーターでも数百Mbpsの帯域は確保できます。
あとは各APと端末間の無線状況が良好であれば、ほぼ最大限のスループットが得られるはず、です。
メッシュネットワークの罠
端的に言うと、メッシュとは無線のみを利用した中継ネットワークであって、AP間が有線接続される場合はローミングという表現が正しいです。
また、メッシュネットワークなら「家のどこでも強力で安定」なのはあり得ると思いますが、必ずしも「高速」ではないです。
例えば次のようなネットワークが構築されているとします。
これをメッシュネットワークと言って良いかどうかは置いておいて・・・世間一般で販売されているWiFiルーターの解説を読む限りではこういうのもメッシュと言うようです。
この時、当然ですが、メッシュ子機1に接続している端末よりも、メッシュ子機3に接続している端の方が、スループットは落ちます。
少なくとも全二重の非同期通信であったとしても、中継している時点でスループットは落ちますし、まして半二重の無線通信となると、他の子機との干渉も気になるところです。
実際、市販のWiFi機器の説明書などを読んでも、親機と子機間で利用するチャンネル(バックホーづ)についてはほとんと記載がありません。
ただ、Aterm Stationではその記載がきちんと書かれていました。
もっとも、「メッシュ中継は、無線接続だけでなく、有線接続でもメッシュネットワークを実現できます」という表現は、正直ローミングとどう違うんだよ、とツッコミを入れたくもなるのですが・・・
話を戻すと、このバックホールの接続が本来の端末との接続チャンネルと干渉するかしないかで、かなりスループットに影響してくるわけです。
Aterm Stationにも記載されていますが、従来のメッシュ機や中継機では、同一のチャンネルや周波数帯を使っていたようです。
仮に同じチャンネルを使っていたとしたら、中継機1機を挟んだ通信は、親機と直接通信している場合に比べると、スループットは半減します。
つまり、先の例だと、親機に繋がった端末と、メッシュ子機3に繋がった端末では、最悪の場合1/4程度にまでスループットが落ちることになります。(親機=>子機1=>子機2(ここまで2倍の時間が必要)=>子機3(ここまで3倍)=>端末(ここまで4倍の時間が必要))
ただ、元の速度が1200Mbpsだったとすると1/4でも300Mbpsになるので、そう遅いと言うわけでもないんですが・・・
常に最大スループットを望むなら、メッシュネットワークは利用せずローミングでバックホールを有線にした方が良い、ということになります。
それが出来ない環境でのみ、メッシュネットワークが第一選択になると思います。
戸建ては上下の境が厳しい?
木造の戸建ては基本的に「木」なので、電波は通りやすい、と思いがちですが、最近の戸建てはあちこちに金属が使われていたり、断熱材にもアルミ箔が混ざっていたりと、何かと電波を通しづらかったり反射させてしまう材質のものがそこかしこに混ざっていたりします。
また、2.4GHz帯や5GHz帯といった所謂UHFやSHFといった周波数帯の電波は直進性が非常に高く、回析はしませんから、電波を発射した方向にしか飛びません。
また、波長が短くなるためアンテナ自体も小型化が可能で高利得アンテナを作りやすい反面、3次元的な意味での全方向放射は難しく、無指向性とは言えど基本的には水平方向への放射が一般的と考えられます。
そうなると、やはり上下階の疎通は同一階のそれよりも厳しいものになります。
そういった観点から見ても、フロアごとにAPは必要ですし、先の通りフロア間は有線で繋いだ方が、スループットは良好になると思われます。
もちろん、親機の出力を上げれば届くかもしれませんが、端末側の出力は一般的に制御できないので、場合によっては端末には親機の電波は届くものの、端末からの電波を親機が受信できないとった、所謂「ツ○ボの大声」になる可能性もあるわけです。
諸々の要件や状況を踏まえると、戸建ての場合は有線LANによるバックボーンの構築は、ネットワーク環境構築において必要、と言う結論になりました。
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